《読書感想文》億男-おくおとこ-
こんばんは!
生まれながらの不器用人間、柴田ゆき野です。
この記事は、久しぶりに読んだ小説「億男」の読書感想文です。
作者は、川村元気さん。
数年前に「世界から猫が消えたなら」を読んだことがあります(*^^*)
本当に大切なモノは何か、気づかせてくれるあたたかい作風が好きです^ ^
普通にところどころネタバレしますので、今から読む人は軽やかにUターンされることをおすすめします!
◆ざっくりとしたあらすじ◆
この物語は、借金(弟の肩代わり)を抱えた主人公、一男(かずお)が、宝くじで3億当てたことで動き始めます。
3億!!!\(^o^)/
ちなみに、一男の借金は3千万なので、返しても余りある額です。
ただ、急に大金を手にした人が、どうなるか、調べるうちに不安になった一男は、相談をするために大学時代の親友・九十九(つくも)に会いに行きます。
しかし、一男が酔っ払って眠っている間に九十九は、一男の3億を持って行方をくらましてしまい…。
そこから、一男の「お金と幸せの答え」を探す旅が始まるのです。
ちなみに九十九は100億以上の資産を持つ超ド級の金持ちで、はっきり言って一男の3億持って逃げたところで、九十九には何のメリットもありません(笑)
なぜ彼は、そんなことをしたのか。
九十九は一男に何を伝えたかったのか。
これが、この物語の大きな柱です。
宝くじに当たった人が、その後どうなったのか。
耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
多くは、不幸話となって世間に都市伝説のごとく広まっています。
例えば…
・未経験のビジネスに手を出して失敗し、逆に負債を抱えてしまった。
・やたらと知り合いを名乗る人が増え、近づいてくる全ての人間が金目当てに見えて、人間不信になってしまった。
とかが多いのではないでしょうか。
実際に知り合いにいたわけではないのに、私たちは、無意識レベルでその噂を信じています。
「急にお金を手にしたら不幸になる。」
そう、刷り込まれてると言ってもいいですね。
多くは妬み、僻み、イソップ物語の「酸っぱいブドウ」の話のような気がします。
一男が九十九探しをする過程で、3人の金持ちたちが登場しますが、どの人物も形は違えど「お金に関する悩み」を持っています。
そしてそれは九十九もでした。
九十九がずっと探していたもの、それは
「お金と幸せの答え」でした。
お金と幸せ…
この2つは、相入れないもののような、でも限りなく表裏に近いような、そんな印象です。
お金で得られる幸せも、世の中にはたくさんありますね。
と言うか、人間のほとんどの願いは、お金で叶えることができるものだとも思います。
美味しいご飯が食べたい。
いい車に乗りたい。
旅行に行きたい。
家を建てたい。
マンションが欲しい。
願いと言うより、これらは「欲」ですね。
でもこれが、人間が明日を生きるために必要なものだとも、本書では解かれています。
うーん。確かに。
ずっと前ですが、読んだ漫画で「人が自殺するのは、欲が0になった時だ。」っていう文言がありました。
私は欲が無くなるほどの、大金を手にしたことはないので、よくわかりませんが、どうも何でもできるくらいの大金を手にすると、欲がなくなってしまうらしいです(笑)
つまり、
何でもできるくらいの大金を手にする。
↓
何でもやってみる
↓
でも、思いのほか楽しくない
↓
何かをしたい欲が無くなる
↓
生きる意味を見失う
ってことかな?
自分には何が大切なのか、人生の優先順位の問題だと思うんですけど、自分軸をしっかり持っていないとお金に喰われてしまう、そう言うことかなと思うんですよね。
九十九が、一男に話していますが
「お金は信用を形に変えたもの。」なんですね。
これは、キングコングの西野さんや堀江貴文さんも同じ趣旨のことを、著書の中で述べられていました。
結局は人を信じられるか。
億万長者になっても、そこは変わらないんです。
だから、お金持ちになりたければ、人から信用される自分になることが大切なんですよね。
それが出来なければ、大金を手にしたところで結局は不幸になってしまう。
人から信用される自分(*^^*)
信用され、信頼される「柴田ゆき野」になるために日々精進ですね。
最終的に、全ての出来事は九十九の手のひらの上で転がされていた一男なわけですが、「お金と幸せの答え」を見出し、新たな一歩を踏み出していきます。
現状は、ほとんど変わっていないようですが、一男が前向きに、生きる欲を持っていることがわかり、明るい展望を持って物語は終わります。
自分なりの「お金と幸せに答え」を見つけられるように、お金に対する価値観、お金の持つ側面が多様に描かれています。
もう一度立ち止まって「お金ってなんだっけ?」と考えてみるのもいいのではないでしょうか。
◆柴田のバレットジャーナルより^ ^◆
2018年秋に実写映画化も決まっています。
ぜひ、映画を見る前にご一読されてみてはいかがでしょうか(*^^*)
それでは。